「下山事件 最後の証言/柴田哲孝」。
最近文庫化されていて、興味が湧いたので
読んでみたら、不謹慎だけど...
面白い!
政治家・警察・裏組織・GHQ・財界・共産主義者などの
思惑が複雑に絡み合い、さらに偽証やニセ情報、
偽装工作が飛び交って、何が正しくて何が嘘なのか...
謎だらけでぞくぞくする。
もっと早く興味を持てばよかった。
この本でちょっと触れられていた別の本
「下山事件/森達也」も読んでみた。
「葬られた夏 追跡下山事件/諸永裕司」も
書店で見つけたら読んでみようと思う。
というのは、この3冊、実は元ネタがほぼ同じ。
(1)柴田氏の亡くなった祖父が、下山事件に
関与していたらしいと判明した。
↓
(2)柴田氏はライターであるが自分で書く気にはなれず、
映像化を企画したところ、森氏を紹介された。
↓
(3)森氏は調査を進める過程を撮影していたが
諸般の事情で中断してしまった。
↓
(4)森氏と共同で調査を進めていた諸永氏が
勝手に本にしてしまった。
↓
(5)森氏も同じネタをベースに本を書いた。
↓
(6)柴田氏は2人の本に不満を覚えたので
結局自分でも書くことになった。
このような複雑な経緯を経て、同じネタから
異なる3冊ができあがったという珍しいケース。
柴田氏の作は、密度が非常に濃くて全体像がよくわかる。
そのかわり、記憶と情報を整理するのがなかなか大変。
森氏の作は、下山事件のドキュメンタリーというよりは
下山事件を調べる森達也のドキュメンタリー。
ちょっと独特の風味に仕上がっているのは面白いが
後半の失速っぷりには肩透かしを食らう。
そんなわけで、どちらを薦めるかというと柴田氏の方。
とはいえ、どちらも真犯人はほのめかす程度で、
断定できないし、確かめる術もないところがもどかしい。
推理小説のように「犯人はおまえだ!」とはいかず、
そこがまたぞくぞくするところではあるのだけれど。
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