書籍・雑誌

2011年9月16日 (金)

ローマ人の物語 ローマ世界の終焉 [中]

学校の歴史の教科書には
「ゲルマン民族の大移動で西ローマ帝国が滅亡」
といった程度の簡単な記載しかない。

民族大移動と言うと聞こえはいいが、
実態は武力を伴った侵攻なわけで、
激しい戦闘の末、ローマが陥落したのだろう
と勝手に思い込んでいたオレ。

え?

こんな・・・しょぼしょぼな終わり方・・・。

滅びの美学も哀悼もない。
あるのは諦念とけだるさ。

財政や軍事や宗教や権力争い。
そういう目の前の問題を対症療法でこなしているうちに
国力がすこしずつ損なわれ、取り返しがつかなくなる。

西ローマ帝国は、ある時点を以って滅亡したのではなくて
長い時間をかけて、少しずつ滅亡していったのだった。

なんとも寂しい。むなしい。

文庫本43冊にわたる「ローマ人の物語/塩野七生」。
ついに最終巻に突入してしまった。

・・・読み終わりたくない気持ち・・・。

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2010年2月 4日 (木)

第一次世界大戦/山上正太郎

第一次世界大戦の発端から講和までを
克明に追った本。
講談社学術文庫です。
「学術」です。

でも面白い!
スリリング!

戦争ものとはいっても、戦闘はほとんど描かれません。
大部分が、外交や政治に関する記述。

でも、この戦争は、膠着状態のままで
無駄に弾薬と人命を消耗し続けたわけで、
戦闘より、外交や政治の駆け引きのほうが
不謹慎だけど・・・面白い。

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2009年7月17日 (金)

北村薫 直木賞受賞!

ということで、めでたい。
奇遇にも昨日まで「ひとがた流し」を読んでいたので
ちょっと驚いています。

賞をとったか、とっていないかで
作家や作品の価値が変わるものではありませんが、
そうはいってもめでたい。

これで一般的な知名度が上がって、
あのステキな作品群が、さらに多くの人に読まれる
と考えると嬉しくなってくるのです。

受賞した「ベッキーさんシリーズ」も好きですけど、
オレが好きなのは、月並みですが
「円紫さんシリーズ」と「時の三部作」。
特に「夜の蝉」と「ターン」はもう大好き。
主人公がまっすぐ健気で可愛くてまぶしくて。

リンクを張ろうとamazonに行ってみたら
受賞作「鷺と雪」は品切れになっていました。
さっそく受賞効果が。


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2009年6月 5日 (金)

スペース/加納朋子

やべやべ。
泣きそうになってしまった。
電車の中なのに。

加納朋子の小説「スペース」。
いちおう推理小説ですが、
推理小説らしいトリックとか謎解きを
期待して読むと肩透かしをくらいます。

ストーリーに感動したというよりは
弱い人への優しさに満ちた文章に感動。
心が弱っているときに読むと沁みます。

そういえば以前「ガラスの麒麟」も
出張の新幹線の中で読んで
あやうく泣きそうになったんだよな。
やべやべ。

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2009年5月22日 (金)

秋期限定栗きんとん事件/米澤穂信

推理が大好きな小鳩君と、復讐が大好きな小佐内さん。
そんな自分が嫌で、小市民になろうとするけれど
ついつい事件に首を突っ込んでしまう。

という設定の青春ミステリ・シリーズ第三作。
楽しく読めながらも、甘酸っぱ苦い痛みもあり。

この痛みもまた青春。くうっ。

今回は特に小佐内さんが最高。
最後のセリフがまた・・・いい!
おそるべし童顔の狼。


リンクを張るためAmazonにアクセスして
ついでにレビューを読んでみたら、
・・・賛否両論。

・・・まあ確かに今回の小佐内さんはひどい。

二人とも、普通はいないタイプの人間だし、
一般的な人間性の観点でいえば、問題のある人。
当然作者はわかっているから、ある登場人物に
「最低だったよ」と言わせたのでしょう。

彼らに傷つけられた人の痛みに目が行きがちですが、
そうしてしまう彼らもきっと痛い。

そういう二人のキャラクターを知った上で読まないと
「不愉快な登場人物が不愉快な言動をとる小説」
と感じてしまうかもしれません。

というわけで、いきなりこの本からじゃなくて、
「春期限定いちごタルト事件」
「夏期限定トロピカルパフェ事件」
の順に読んだ方がいいかも。

あと、登場人物の誰にも感情移入せず、
第三者の視点で読んだほうがいいかも。

(読者が感情移入しやすいタイプの登場人物が
ひとりいますが、たぶん作者の罠です。要注意!)

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2008年9月14日 (日)

リアル鬼ごっこ

小説「リアル鬼ごっこ」を読んだときは衝撃でした。
全体に漂う不穏なムード。
なんとも落ち着かない感じ。
不協和音のBGMがずっと鳴っているような・・・

・・・不協和音?

じっくり読んでみて気がついたのです。
「ああそうか、文章が下手なだけだ」と。

まず、文章の視点が定まっていない。
そして、文法や言葉の使い方の間違い、
誤字脱字、矛盾など、あるわあるわ。

最高なのは一番最後の文章。
「王子以外を除く佐藤姓は・・・」

「以外を除く」って? 二重否定。
もしかして、ここまでの文章はすべて
壮大な叙述トリックだったのか?
とか思ってしまいましたよ。
もちろんそんなことはなくて単なる間違い。
せめて最後の文章くらいちゃんとしようよ。

仕事柄、文章の校正は得意なオレ。
間違い箇所に赤ペンでチェックを入れまくって、
数えてみると629箇所ありました。
1ページあたり、なんと1.9箇所。
こりゃひどい。

※単行本初版の場合です。
 文庫版は全面的に書き直されているので
 間違いはないけれど別に面白くもない。

鬼ごっこのルールも穴だらけ。
これで全国の佐藤さんを全員捕らえるなんて
絶対に無理だろう。
リアリティも何もない。

なんでこんな本が出版されているのか?

自費出版だと後で知った。そういうことか。
思いつきのアイデアを深く練ることもせず、
勢いだけで書き上げて、ちゃんと校正もせず
そのまま出版しちゃったんだね。
自費出版だと止める人いないもんね。

でもこの本、売れたからなあ。
世の中、何が売れるかわからないもんだねえ。


で、その「リアル鬼ごっこ」の映画版DVD。
かなりのアレンジが加えられているとのことで、
あのひどい小説をどう料理したのか。

おお? 予想していたより面白いぞ。

鬼ごっこのルールを若干変更するとともに、
SF的な設定を加え、そちらをメインにすることで
鬼ごっこ自体の比重を下げて重心をずらした。
なるほど。上手いな。
これなら鬼ごっこルールの不備もあまり気にならない。

監督は映画化を持ちかけられて困ったんじゃないかと。
で、なんとか話をまとめるために工夫したんじゃないかと。

うん。頑張ったね。いい仕事。


↑原作を読むなら絶対に改定前の単行本がオススメ。
 赤ペン片手に間違いチェックしながら読むと楽しいです。

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2008年7月30日 (水)

4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する/杉山茂樹

サッカーの勝敗を決める要因は
もちろん様々なのですが、その中で
「布陣」
つまりプレーヤーの配置の仕方に
焦点を絞って解説・分析した本です。

内容を超大雑把に要約すると、

◎「サイド重視の攻撃的布陣」が
 現在の世界的な潮流である。

◎その流れから、「4-2-3-1」の布陣を
 採用するチームが多くなっている。

◎それなのに、日本代表の布陣は、
 トルシエ以来の「3-4-1-2」や、
 ジーコが多用した「4-2-2-2」が多い。

◎どちらもサイドが手薄になるので
 「4-2-3-1」との相性が非常に悪い。
 相手のウイングが高い位置に張っていると
 DFはオーバーラップをかけることができない。
 「3-4-1-2」は事実上「5-2-1-2」になってしまい
 攻撃力が大幅に低下する。

なるほどねえ。

しかし、反町監督の北京代表は、
近頃「4-2-3-1」を採用している模様。
先日のオーストラリア戦で勝利し、
今日のアルゼンチン戦は負けたとはいえ
良い勝負をしていたことを考えると
一理あるのかも。

しかし、こういう見方を覚えると、
テレビ中継が物足りなく感じます。

「もっとピッチ全体を映せ!」と思ってしまう。

スタジアムに行くしかないのかな。
マルチアングルで選べるようにならないかな。

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2008年7月 4日 (金)

冷たい校舎の時は止まる/辻村深月

小説「冷たい校舎の時は止まる/辻村深月」。
何にも予備知識なく読み始めた。

・・・登場人物は8人の高校生。
雪の日に登校したら他には誰もいない。
そのうち、自分たちが誰かの精神世界に
閉じ込められていることがわかる・・・

あらら?ミステリだと思い込んでたよ。
ホラーだったのですね。

でも、設定はホラーとはいえ、
ストーリーは「誰が?何のために?」
という謎解きなので、ミステリとして読めます。

文庫本2巻で約1,200ページの大作。
しかし、なかなか謎解きが進まない。
しかも、謎解きに直接関係なさそうな
登場人物それぞれの過去のエピソードが
はさみこまれたりして・・・

ちょっとイライラしてきた。
過去のエピソードは飛ばし読みしようかな
と思いつつもガマンして読み続けていたら、
終盤、

そう・いう・こと・だっ・たの・かー!

作者の企みに気がついて愕然&歓喜。
ヤラレタ感が楽しい。
イライラしてすまん。計算だったのだね。

そんなわけで、この本を読み始めたら
途中を飛ばしたり集中を切らしたりせず
じっくり取り組むことをオススメしますよ。

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2008年6月14日 (土)

夜市/恒川光太郎

書店で見かけて、何故だか惹かれたので
読んでみたのです。
「夜市/恒川光太郎」

すばらしい。

角川ホラー文庫でもあり、分類上は
ホラーということになるでしょうか。
確かに不気味なシーンもありますが、
それより美しさのほうが勝る。
感動的なストーリーです。

文体もいい。
ホラーにありがちな大仰さがなくて
淡々と静かな味わい。
それが異界の雰囲気を作り出している。

いいですねこの作家。
おすすめ。

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2008年5月 9日 (金)

葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

タイトルがどうも・・・で敬遠していたこの小説。
しかし最近、近所の書店で山積みにされて
手書きのオススメPOPが付けられていたので
それならば と読んでみました。

この書店のオススメは当たりが多いので
信頼しているのです。

・・・・・・・・・・

終盤、
主人公のなんということのない一言。
それがオレの脳内の小説世界を大きく揺るがす。

え?え?ええええええ?

序盤に戻って読み返してみる。
なるほど。
この表現が原因か・・・

やられた。
気持ちよく騙された。

確かにこの本はオススメしたくなるね。



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